目の前が霞んで、何も見えない 風の唸る音が地響きのように身体をふるわせる わたしは永遠に終わらない虚無に手をのばす勇気もなく たった一人で 無限に広がる荒廃を彷徨っている 月と太陽のめぐりを指折り数える毎に わたしの中に蓄積されてきたものたちが次々と失われてゆく 遠い昔に出逢った幼き少女の面影さえも 虚無の闇へと堕ちていった わたしは何も望まない 成るがまま、成すがままに運ばれるだけ たおやかな水の流れに運ばれて 自然の摂理に身をまかせているだけ ・・ああ、神よ わたしを安らかな眠りへと誘ってくれ どうか 静かに逝かせてくれ
「ガラスの迷宮」というタイトルのオンライン上の日記。 それが私とLINAさんとの出逢いでした。
ネット上の人間関係をあまり持たない私ですが、 LUNAさんだけは例外であり、そして大きな存在となっています。
お互い畑違いの人間であるにも関わらず、 その日記に触れた時に感じた不思議な共鳴は大きなものでした。 世界観云々以前に、大切に思うものという点で なにか大きなものを感じたと云っていいでしょう。 それ故に大きな出逢いでした。
日記とは別に、本サイトとも云える みなみ名義での「ガラスの迷宮」もあります。
「本当は、気づいたら天国だったという死に方が、一番理想なんですよね」 還暦を迎えた心理学者の教授が、そんなことを言っていた。 仕事柄、自殺願望を抱えた患者を一度に何人も抱えてしまい 彼自身の精神的ストレスによる高血圧が慢性化し 常に爆弾を抱えている状態なのだそうだ。 「突然血管が破裂して、半身不随になった身体で生きなきゃならないのはごめんですからねェ」 この世に死を想い、死に執着する者たちと同じくらい 「生」に魅了された人間は、どれほどいるのだろうかと疑問に思う。 生まれる前に「どこ」にいたのだろうかと問う以前に 死んだ後「どうなる」のだろうかと不安を抱く人間の方が、圧倒的に多い。 恐れることさえ過去になった[彼]にとって [死]は、これから自身に訪れるアタリマエの産物でしかない。 まるで[死]がすぐ側にあるからこそ 毎日を大切にしてゆけるとでも言うように。 「気づいたら天国だったという死に方が、一番理想なんですよね」 あっけらかんと笑った彼の表情は 何の迷いもない、本当の笑顔だった。 いつかは必ずたどり着く死のために 「たった一度きり」の人生をいかに楽しむか、有意義なものにするか 人間は探し続けている。 生きてゆく答えと死んでゆく意味は 私たちが生まれたその瞬間から、すでに定められている。 そう すべては結果のために。 結果が導く「終焉」のためにあるのではないかと そんな風に思った。
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